スズメバチの危険性

スズメバチの生息する環境

スズメバチは本来、雑木林に多く生息し、主に樹木や樹木の根、腐った木などに巣を作るのが一般的でした。しかし都市の発展により、雑木林が減少し、私たちの住宅の天井裏、軒下、庭の樹木などに巣を作るようになり、生活に極めて近いものになってきました。近年では床下や家の中にまで巣を作るケースも確認されています。また、スズメバチの天敵である野鳥、アブ、オオカマキリやオニヤンマなどが減ってしまった事で爆発的に繁殖したことも私たちの生活に近くなった要因を言われています。

スズメバチの種類

オオスズメバチ、キイロスズメバチ、コガタスズメバチ、チャイロスズメバチ、ツマグロスズメバチ、ヒメスズメバチ、モンスズメバチの7種類です。一般的に多く見かけるスズメバチの種類はキイロスズメバチ、コガタスズメバチです。とても大きな体と強い毒性を持つオオスズメバチは閉鎖的なところ、静かな所を好んで巣作りをします。

スズメバチの生態

スズメバチの活動は至る所で見られます。スズメバチは肉食なので普段はカマキリやバッタ、クモ等、時には蛙や蛇なども襲って食べますが、都市部では生ゴミもあさります。夏から秋口にかけて被害が多いのは、来年の女王蜂を育てる期間に当たるためとても過敏になり、攻撃性が高くなっているためです。巣を見かけたら絶対に近寄ってはいけません。運悪く遭遇してしまった時は、頭を両手で隠し、大きな音を立てないよう後ずさりして逃げましょう。頭を両手で隠すのはスズメバチが黒いものに反応し、襲う習性があるからです。帽子をかぶるという手段もあります。もしも刺されてしまったら、綺麗な水で傷口を洗い流し、口で毒を吸い出しましょう。毒の吸い出しは市販で毒吸い取り機(ストローの様な形状をした物)が販売されているので携帯すると便利です。

アナフィラキシーショック

スズメバチの被害で命を落とすのはアナフィラキシーショックによるものです。皆さんもお聞きになられたことがあると思いますが、スズメバチの被害で一番恐ろしい事は2回以上挿されることです。この症状は抗体、免疫が過剰反応し、ショック状態を引き起こす症状です。スズメバチに一度刺され、免疫が出来た状態で間髪入れずに同じ毒素が身体にはいると免疫が過剰反応を起こします。これにより、血管の膨張、血圧の低下、心肺機能の低下、呼吸困難などの症状を引き起こします。アナフィラキシーショック(抗原抗体反応)の恐ろしいところはその症状がすぐに発症するため、迅速な処置が必要です。これで毎年、命を落とす人が出てしまうのです。

スズメバチの駆除

スズメバチを見たら、近寄らないことが大事です。また、知らずに近づいてしまっても決して自分から攻撃しないことです。家の中に迷い込んだスズメバチなどは窓を開けておけば明るい方へと向かう習性があるためそのまま出ていきます。スズメバチの居そうな所、森林、茂みなどに入るときは必ず帽子、手袋をして肌の露出を防ぎましょう。スズメバチは黒を見ると反応し威嚇、攻撃態勢に入りますので、着る衣服にも黒を取り入れないよう心がけてください。

巣を発見したときに一番良いのは業者に依頼することです。